【エッセイ】一億総詩人化計画

私が書いた詩の中に「一億総裁判官」というものがある。 犯罪ではないことでも、人は人のことを裁く。自分の趣味嗜好に合わないものや人に物申したくなるのだ。特にSNSでは遠慮がない。 物申す立場にない人が物申している姿は滑稽に見える。私も気をつけては…

【エッセイ】おばあちゃんピアニスト

私が今ライフワークにしていることの一つ、それはピアノを弾くこと。私のピアノ歴はあまり長くない。ちゃんと習っていたのは5歳から18歳くらいまで。それ以降は学生生活のほうが楽しくてピアノはほっぽらかし。せっかく私だけのピアノを手に入れてもあま…

響き

響きの世界 「共鳴と唸り」 生命あるものは 共鳴し合い 唸りを発生する 共鳴は純な音 唸りは味な音 共鳴は透明 透明な世界 「完全調和」に陶酔する 唸りは混濁 混濁の世界 「不調和」に快適さを抱く 透明なものが幾重にも重なる この美しき世界 透明な重なり…

一億総裁判官

一億総裁判官 人が人を裁く 人が人に同意を求める 人が人に承認を求める 人が人で孤独を埋める 頼まれていない警備 頼まれていない取り締まり いらぬ警備が生み出す差別や優越 ご意見番は余計なお世話 必要なのは自己警備 住居侵入には毅然と対処 それだけで…

【エッセイ】夢が教えてくれたこと

2023年8月31日はスーパームーンが観測できる日だった。私は占星術には詳しくないし、月のこともあまりよく知らない。スピリチュアル的には新月や満月には色んなことが起こるらしいが、そういうことにも無頓着。後になってから、あの時あんなことが起こったり…

透明の翼

わたしは空を飛ぶことはできない でも透明の翼をもっている 透明の翼は空を飛ぶためにあるのではない わたしの宇宙を自由に飛び回るためにある 宇宙に無数に散らばっているキラキラした欠片を集めて現実世界にその姿を現す 魔法使いがステッキを一振りして望…

【小さなお話】すいかの気持ち

私はすいか(西瓜)。 私のルーツは、今から約4000年程前の熱帯アフリカのサバンナ地帯や砂漠地帯にある。 日本には中国を経由して寛永年間(1624~1643)に渡来した。随分な長旅だ。 そして明治に入り、欧米から多数の品種が導入され、品種改良されながら現在…

若者

いつまで子どもで いつから大人かな 一体いつどこで 大切な気持ちを 失ってしまったのかな まだ私の半分も生きていない 若者が知っていること 感じていること 私も思い出してみよう 感じてみよう https://stand.fm/episodes/64e02fd5f3c85a4793c8327d

切り抜き

お気に入りの切り抜き 大事な部分の切り抜き 見せたい部分の切り抜き 切り抜きは便利だね パズルのように組み合わせて 見せたいように切り抜くことも できる 切り抜きマジック あなたもわたしも この世界も宇宙も 全部切り抜かれた一部 切り抜きは全体の一部…

夢がなくても

将来の夢はなんですか? あなたの夢はなんですか? 夢を描きましょう 夢を持つのは素晴らしいことです 子どもの頃からずっと こういう言葉が重荷だった 私には夢がない その時々で好きなことも やりたいこともコロコロ変わる 何年も先の未来のことを考えて …

【小さなお話】魔法の言葉

これはある日の夢のお話。 幼い少女の私が、当時お気に入りだったチェック柄のスカートを履いて登場していた。 一人遊びが好きだった私は、いつものようにお絵描き帳にキラキラした大きな瞳のドレスを着たお姫様の絵を描いていた。 男の子を描くのは苦手だか…

友達ゼロ人

自慢じゃないけど、私は友達ゼロ人 昔は普通に友達がいたはずなのに、一体いつからいなくなったんだろう 人が消えていなくなってしまったわけではない きっと私の心が、友達って何なのかが分からなくなってしまったからだろう 友達は難しい 友達は片思いでも…

種族をこえて

きみはぼくの友だち きみはぼくの家族 きみはぼくの相棒 きみはぼくの師匠 きみはみんなのアイドル きみはみんなのスター きみはみんなの天使 きみはみんなの鏡 人はみな、きみのことを ぬいぐるみと呼ぶけれど 種族は関係ないんだ きみには名前がある きみ…

【小さなお話】ぼくは「おと」

ぼくは「おと」 猫のぬいぐるみ。 「ぼく」って言ってるからどうやら男の子らしい。 ぼくは、とある人の相棒として迎え入れられた。 眠っていた倉庫から取り出され、梱包されてトラックに乗せられてこの家に運ばれてきた。 最初にぼくを抱き上げたその人は、…

天体ショー

私は天体 あなたも天体 地球に昼と夜があるように 私たちにも昼と夜がある でも、はっきりとした境目はなく 常に曖昧 極地は陰と陽 昼と夜を繰り返す天体は どちらも知っている どちらも知らない それは静止した天体 どちらかしか知らない それは回転不足の…

はなむけ

あなたに贈る言葉 最初の出会いはいつだったか どんなだったか… もう忘れてしまいました けれどこれだけは覚えています 最初の第一声 とても穏やかで温かくて 優しい声の人だと感じました いつもあなたのまわりには ゆっくりと丁寧な時間が流れていました い…

おいてけぼり

おいてけぼりの抜け殻 殻を脱いで解放された中身は 堂々とひとり歩き 大きくなった背中を見送る 嬉しさと寂しさが同居する 抜け殻にへばりついている私は いったい何だろう? 何が寂しいのか? もともと私のものではないのに… ほんの少しのあいだ 私の中にい…

ご都合病

ご都合病 自分がされて嫌なことは 人にするのはやめましょう 掲げられたスローガン その効果を実感できず 三つ子の魂百までは? 首をひねって考える 自分のことは棚に上げ 人を責めるご都合病 発症人を目の前に 人のふり見て我がふり直せ 大きな私は笑ってる…

似た者同士

自分と同じ匂いを感じる人をみつけた 最初はわからない でもだんだんわかってくる あっ、なんか似てるな… 私以外にもこんな人いるんだ… ちょっと安心する でも本当に自分と似ている人とは近づかないほうがいい お互いの領分を守り、視界のすみっこにその存在…

あなたとともに

あなたとともに生きよう あなたとともに歩こう あなたとともに笑おう あなたとともに泣こう あなたになら見せられる 強い私も 弱い私も 私は見たい 私は感じたい 強いあなたも 弱いあなたも あなたの存在は愛そのものだから https://stand.fm/episodes/645b7…

足元を見てごらん

いつもここではない どこか遠くを見ているあなた 足元を見てごらん あなたが遠くを見ているあいだに 変わってしまったものを見つけられる? 変わってしまったことに全く気がつかないなら あなたは一体いつも何を見ているの? あなたの足元であなたに心を傾け…

あなたはあなたのままで

あなたはあなたのままでいい あなたはあなたにしかなれない あなたになれるのはあなただけ あなたを丸ごと愛せるのはあなただけ 愛にはね、好きも嫌いもないんだよ なんで? 愛の中にはね、全部が詰まっているからだよ 心が悲しいって泣いていてもね、愛は消…

ジグソーパズル

もしもこの世界が一枚の大きなジグソーパズルだとしたら、どんな絵になるのだろう? 私はジグソーパズルのピースの一つ 私のまわりには、私のかたちにぴったりと合った別のピースたちが取り囲むように存在している でも本物のジグソーパズルとは違うところが…

真偽

この世界は二元の世界 何でも対になっている 真と偽も対になっている 湧き上がる衝動は「真」 損得勘定は「偽」 「真」は真我に通ずる道 「偽」は自我に溺れる道 真に通ずる道はいつも開かれている 二人羽織の「顔」と「腕」の役割は違う 私は「顔」 顔は顔…

待ち合わせ

約束の時間が近づく 約束の場所に向かう この時を待っていた でも約束の記憶は曖昧 挨拶を交わす はじめまして 時は巡り 時計の針をちらっと見る 次はどこに行くんだっけ? やはり記憶は曖昧で 流れるように移動する 全てスムーズに流れる こわくない 大丈夫…

石ころと花

「その辺に転がるただの石ころ」 と 「唯一無二の美しい花」 この2つに違いはあると思う? 石ころはダイヤの原石ではなく 磨いても磨かなくてもずっと同じ姿の石ころ 美しい花は元から美貌に恵まれていて やっぱり磨いても磨かなくても美しい花 石ころと花 …

心の風邪

何かしていないと不安になる 自分を磨き続けていないと不安になる それはもうすでに心の風邪をひきはじめているサイン 私はよく心の風邪をひく 頑張っている自分 努力している自分 誰かの見本になる自分 すごいと思われる自分 別にそんな自分にこだわる必要…

一人っ子のあなたへ

あなたはお母さんがこの世に生み出した たった一つだけの「命」 世間の常識に縛られて苦しんだこともある 「命」は物じゃない 飾りでもない 義務でもない 純粋な望みだ お母さんは自分の子どもはあなた一人だけがよかった 普通のお母さんと違って、成長すれ…

真綿の約束

真綿はあたたかい 真綿は蚕が生み出す命の結晶 蚕の口から吐き出された美しい一本の絹糸で自身のからだを覆い、繭をつくる 本来の自然界には存在せずに、古来より人間に飼われてきた蚕 蚕は人間に守られながら美しい糸を生み出すために存在してきた 蚕と人間…

何度でも言うよ

愛とは何か、自分の言葉ではまだ語れない でもこれだけはわかる 愛とは変幻自在にかたちを変えるもの 見た目が美しく整っているものだけが愛ではない 愛は無限であり、懐がとんでもなく深いもの だから、汚い言葉や暴言や暴力、目を背けたくなるような出来事…