うな重の記憶

4月と10月

それはうな重の月

4月生まれの夫と息子

10月生まれの私

年に2回、必ず食べに行く常連の店

電話予約で「特上3つ」がいつもの定番

2階のお座敷で待つこと約10分

予約時間に合わせ、出来立ての

うな重が3つ運ばれてくる

うなぎをほおばる前に、まずは

お吸い物を一口

いざ実食

いつもはおしゃべりな息子は

うなぎを食べる時には無口になる

いつもはお茶碗いっぱいのご飯を

勢いよくかきこむ息子が

お箸で丁寧にうなぎとご飯を一口サイズに

切り分けて、ゆっくり味わいながら食べている

うな重を食べるスピードは3人の中で

一番遅い…

明らかにうなぎに敬意をはらっている

私の手料理は一体なんなんだ?

そう不満に思いながらも

幸せそうにありがたくうなぎを食べている

様子を見ていると

また連れてきてあげたいと思ってしまう

うな重の記憶は私たち家族の思い出として

きっと深く刻まれるに違いない

息子がさらに大きく成長した10年後も

うな重の記憶を忘れないでいてほしい

https://stand.fm/episodes/65cb0648e13eeb43bf422555