【エッセイ】おばあちゃんピアニスト

私が今ライフワークにしていることの一つ、それはピアノを弾くこと。私のピアノ歴はあまり長くない。ちゃんと習っていたのは5歳から18歳くらいまで。それ以降は学生生活のほうが楽しくてピアノはほっぽらかし。せっかく私だけのピアノを手に入れてもあまり触らない日々が続いていた。息子が3歳から10年間、私の代わりにピアノを弾いてくれた。でも今は選手交代で、ピアノは私と人生を共にする大切な相棒になっている。もしもブランクを開けずにずっとピアノを弾き続けていたら今頃どれだけ上達していたんだろうか?と考えることがある。予想できることとしては、手を故障してあまりピアノが弾けなくなってしまった、というパターンが一つ。もう一つは、やっぱり飽きてしまって弾いていないだろうというパターン。

自慢ではないが、私は手首と指が平均よりも細いし、手もそこまで大きくない。注意をして練習していても手にかかる負担は大きい。

難曲に挑戦するには無理をしすぎない注意と身体への労りと集中力、そして何よりも弾けるようになりたいという情熱が必要だ。

これらが欠けていたら、憧れの曲は一生憧れで終わってしまう。若い頃の私には、この要素が一つもなかった。ピアノは好きだったし、そこそこ弾けたけれど一生弾き続けられるにはどうしたらいいかを考えるような思慮深さは備えていなかった。だから今頃になっての遅咲きなのだ。でもそれで良かったと思う。

 

私はピアニストのフジコヘミングさんが好きだから、フジコさんのように80歳を過ぎてもピアノを弾いているおばあちゃんになりたいと思っている。目指せ!おばあちゃんピアニスト。

 

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