【エッセイ】辰の風に吹かれて

2024年1月1日の朝9時に家を出発。

例年通り家族3人で歩きながら地元の氏神様のもとへお詣りに行く。

年々息子が歩くスピードが速くなり、本来なら数十メートルも距離があいてしまうところだけれど、最近は歩くスピードを私に合わせてくれるようになった。

そういう気遣いを感じると、あぁ成長したな…と密かに心の中で嬉しく思う。

そして今年の初詣は例年とは明らかに違うことがもう一つあった。

それは風だ。今年は辰年

家を出発した時から帰ってくるまでの間、ずっと風が吹き荒れていた。

家を出発してしばらくは単に今日は風が強いな~と思い、コートの前を両手で押さえながら歩いていた。

でも止むことのないあまりの強風にふと気づく。

あぁ、辰の風だ…と。

夫と息子に、辰年だから辰のエネルギーの風なんだよ!!と一人で力説しながら神社まで歩いた。

本当に風が強かったから2人とも納得していたように感じた。

神社に着いてからは例年通り、去年のお守りを納めてから参拝。

おみくじをひいてから新たなお守りを購入。

お囃子と獅子舞はまだ準備中で見られなかった。

何歳くらいまでだろう?

毎年息子の頭を獅子舞に噛んでもらっていたのは…。

帰り道も風の勢いは弱まらない。

辰の風だと思い込んだ私は、寒くても髪の毛が乱れてもこの風はありがたく縁起の良いものだと思い全身で風を感じながら帰宅した。

夫はわざとらしく両手を広げながら歩いたりしていた。

そしてなぜかお散歩中のワンちゃんに好かれてしまい、飼い主さんにしきりに謝られていた。

強風に煽られながらも穏やかで平和な元日。

辰の風は勇ましい。

辰の背に乗ればどこまでも昇っていけそうな気がしてしまう。

でも芯がなければ辰の背から振り落とされてしまう。

私の芯は何か?

あなたの芯は何か?

私に芯はあるか?

あなたに芯はあるか?

辰の背に乗る準備はできていますか?

https://stand.fm/episodes/65961390f1e3392ab1c22a47